『創念』の解説

■ はじめに
 近年は、一年間の経営方針を一言、しかも漢字2文字に納めようと努力しています。それは、全ての人々にとって覚えやすく、しかも分かりやすいという点に主眼をおいています。お客様と社員さん全てに、夢と希望が満ち溢れることを最優先に考え、今一番大切な主題を考えてみました。小さくても実現する夢、希望がかなえられる生き方を分析し、重要な言葉を造りました。

■ 『創念』
 『こころ』の伴わない、人間の行動や力を見るとき、それは、とても希薄で小さなものに思えます。しかし、強い信念を持ち、価値ある『目標』を持った人間や、その集団には何か異様な力を感じます。今年の経営方針は、人間をそこまで強くする、『心の産物』に注目しました。その『心の産物』を『念』と呼ぶことにし、それを創ることを『創念』と定義します。

■ 巡る思い
 人間の心は絶えず揺れ動き、変化しています。将来の自分のあり方、家族のあり方、組織のあり方、仕事のあり方、職場現場のあり方、等々どれを取ってみても、『ああしたい、こうしたい』と、思いは巡ってゆきます。
お客さまと自分達の『遊と理』確保のため、絶えず『思い巡らす』ことこそ、今一番重要なことではないでしょうか。ちなみに昨年の『素感』は『思い巡らす』とき重要となる根源的な感覚でした。

■ イメージの固定化
 連続する思考の途中結果として、その時点の自分としての最良のイメージが涌いてきます。逆に言えば、その最良のイメージが涌いて来るまで思い巡らす必要があるとも言えます。このイメージを自分流に書き留めて見ましょう。書き留めたイメージを見てまた思考を巡らしてみましょう。自分の心の中の変化しているイメージがしだいに固定化されてゆくのが分かります。そして、『自分は、こうであるべきだ』『自分は、こうすべきだ』とイメージが固定化されてきます。これが『心の産物』、すなわち『念』です。

■ 気軽に創れる『念』
  『念』というと何か堅苦しい言葉のように思え、自分達とは、なにか縁遠い言葉のように思えます。しかし、そうでしょうか、朝起きて今日一日が安全であるように、心の中に強いイメージを描いて下さい。『今日も安全運転すべきだ』という『念』が生まれたことになります。このように簡単に考えてみましょう。どんな些細な『念』でも良いですから先ずそれを『創る』ことを、心がけてみましょう。繰り返しますが『創念』とは『念』を『創る』ことです。
 
■ おわりに
 いま人々の心が問われています。一度しかない人生を、いかに有意義なものにするのか、いま人々の心が問われています。一所懸命に生きる人にとって、心は羅針盤です。人間の体は、各部が勝手に動いているわけではありません。心の羅針盤の針が向いた方向に、体は動きます。心の羅針盤の針を『念』と考えたらいかがでしょうか・・・。
『念ずれば花開く』という言葉は実に含蓄のある言葉です。良い『念』にはよい『花』が咲くはずです。