(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平7−137995
(43)【公開日】平成7年(1995)5月30日
(54)【発明の名称】エアバッグ式間隔調整装置と段差解消装置
(51)【国際特許分類第6版】
   B66F  7/08        B 8611-3F
   B65G  7/06        C        
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】FD
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願平5−312501
(22)【出願日】平成5年(1993)11月17日
(71)【出願人】
【識別番号】591222407
【氏名又は名称】株式会社松屋総合研究所
【住所又は居所】山口県岩国市室の木町1丁目7番45号
(72)【発明者】
【氏名】松塚 展門
【住所又は居所】山口県岩国市室の木町1丁目7番45号 株式会社松屋総合研究所内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 博文



(57)【要約】 (修正有)
【目的】 その移動位置と移動スピードの調整が簡単に行え、かつその構成が簡単なエアバッグ式間隔調整装置と段差解消装置を提供する。
【構成】 平行する二枚の板体1,2を複数個の蝶番状連結片4で接続して、該両板体1,2と蝶番状連結片4との間に空間部を形成すると共に、該空間部に膨縮自在のエアバッグ3を設け、該蝶番状連結片4でエアバッグ3の側部を保持し、該エアバッグ4の膨縮によって前記両板体の間隔を変更し得る構成よりなる。




【特許請求の範囲】
【請求項1】 平行する二枚の板体を複数個の蝶番状連結片で接続して、該両板体と蝶番状連結片との間に空間部を形成すると共に、該空間部に膨縮自在のエアバッグを設け、該蝶番状連結片でエアバッグの側部を保持し、該エアバッグの膨縮によって前記両板体の間隔を変更し得ることを特徴とするエアバッグ式間隔調整装置。
【請求項2】 一方の板体をステージまたはパレットとし、他方の板体をベースとし、該両板体間を蝶番状連結片で接続し、該両板体と蝶番状連結片との間に空間部を形成すると共に、該空間部に膨縮自在のエアバッグを設け、該蝶番状連結片でエアバッグの側部を保持し、該エアバッグの膨縮によって前記ステージまたはパレットを昇降させ得ることを特徴とするエアバッグ式段差解消機。
【請求項3】 蝶番状連結片が、両板体間の三方向に配置されている請求項2に記載のエアバッグ式段差解消装置。



【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアバッグ式間隔調整装置と段差解消装置に係り、より詳細には、例えば、ステージの昇降、間仕切り間隔の調整、あるいは階段等の段差を解消して車椅子等の移動体その他搬送体がスムーズに、該段差部分を移動できるようにしたエアバッグ式間隔調整装置と段差解消装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置と関連する間隔調整、段差解消装置としては、種々の機構のものがあり、次ぎのような機構が知られている。すなわち、
■ 上下または左右の板体の中央部をパンタグラフ状の開脚部材(テーブルリフター)で連結し、該開脚部材の折り畳み、押し広げ操作で、該両板体の間隔を調整できるようにしたリンク機構を用いた構成、
■ 上下または左右の板体間に油圧シリンダを設け、該油圧シリンダのロッドの伸縮によって該両板体の間隔を調整できるようにした構成、
■ 上下または左右の板体間をボールネジで接続し、該ボールネジを作動させて、該両板体の間隔を調整できるようにした構成、等の機構が知られている。
【0003】そして、これらの間隔調整、段差解消装置は、種々の装置に組み込まれ、あるいは単独で各種の荷物の昇降・移動手段として有効活用されている。例えば、劇場のステージの昇降装置の場合は、テーブルリフターを用いた機構が、また建築現場や工場での荷物の搬送装置の場合は、油圧シリンダーを用いた機構のものが多く採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したような従来の間隔調整、段差解消装置の場合、次ぎのような課題がある。すなわち、
■ テーブルリフターを用いた構成にあっては、ステージ、パレットの移動停止位置の微調整、制御、メンテナンスが難しく、かつストッパーが必要となる。
■ 油圧シリンダーを用いた構成にあっては、逆止弁、油圧供給機構が必要となり、その構成が複雑となると共に、その制御、メンテナンスが難しい。
■ ボールネジを用いた構成にあっては、該ボールネジ駆動用の動力伝達機構が複雑となり、昇降、移動スビードが遅くなる。等の課題がある。
【0005】本発明は、以上のような課題に対処して創作したものであって、その目的とする処は、その移動位置と移動スピードの調整が簡単に行え、かつその構成が簡単なエアバッグ式間隔調整装置と段差解消装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そして、上記目的を達成するための手段としての本発明のエアバッグ式間隔調整装置は、平行する二枚の板体を複数個の蝶番状連結片で接続して、該両板体と蝶番状連結片との間に空間部を形成すると共に、該空間部に膨縮自在のエアバッグを設け、該蝶番状連結片でエアバッグの側部を保持し、該エアバッグの膨縮によって前記両板体の間隔を変更し得る構成としている。
【0007】また、本発明のエアバッグ式段差解消装置は、一方の板体をステージまたはパレットとし、他方の板体をベースとし、該両板体間を蝶番状連結片で接続し、該両板体と蝶番状連結片との間に空間部を形成すると共に、該空間部に膨縮自在のエアバッグを設け、該蝶番状連結片でエアバッグの側部を保持し、該エアバッグの膨縮によって前記ステージまたはパレットを昇降させ得る構成としている。
【0008】更に、本発明の他のエアバッグ式段差解消装置は、前記発明において、蝶番状連結片を、両板体間の三方向に配置されている構成としている。
【0009】
【作用】本発明のエアバッグ式間隔調整装置と段差解消装置は、所定位置に設置した後、エアバッグ内のガス量を調整して、該エアバッグを膨縮させることで、両板体の間隔調整や段差の解消ができる。すなわち、昇降装置として形成する場合は、ステージやパレットを形成する板体に移動物や搬送物を搭載した後、前記エアバッグ内にガスを充填すると、エアバッグ側部の蝶番状連結片でその座屈を防止しながら膨張し、該エアバッグの膨張につれて前記ステージやパレットが上昇でき、また該エアバッグ内のガスを抜くことにより、該ステージやパレットを下降させることができる。また、間仕切り等の板体の位置調整装置として形成する場合は、エアバッグ内のガス量によって、該板体を任意位置に移動させることができるように作用する。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明を具体化した実施例について説明する。ここに、
図1図5は、本発明の一実施例を示し、図1は平面図、図2はエアバッグが膨張した状態の図1A−A断面図、図3はエアバッグが膨張した状態の図1B−B断面図、図4はエアバッグの平面図、図5はエアバッグが収縮した状態の図1A−A断面図、図6は蝶番状連結片の他の実施例の側面図、図7図8は、本発明の他の実施例の断面図である。
【0011】本実施例は、エアバッグ式段差解消装置であって、概略すると、パッレト板1とベース板2との間にエアバッグ3を設け、エアバッグ3の側部に蝶番状連結片4,4,4を設け、エアバッグ3の膨縮によって、パレット板1の昇降を行う段差解消装置である。
【0012】パレット板1は、搬送体、移動体を載置するためのパレットであって、通常、木製、あるいは金属製の平板で形成されている。また、ベース板2は、基礎プレートであって、設置箇所に安定状態で載置できる形態とされている。そして、パッレト板1とベース板2との間にエアバッグ3が取り付けられ、またチェーンやワイヤー等の連結具5で連結されている。この連結具5の長さを調整あるいは適宜長さのものを用いることで任意のレベル調整(間隔調整)を行える。
【0013】エアバッグ3は、合成樹脂製等の密閉状筒体で形成されていて、上端部がパレット板1の底面に固定され、下端部がペース板2の上面に固定されている。該密閉状筒体は、複数枚積層したガスバリアー製シート(本実施例においては、四層のものを使用している)を溶着し、かつミシンかけして形成された上下二段構造の蛇腹状筒体であって、下段側の筒体にガス充填、排出パイプ6が設けられ、該ガス充填、排出パイプ6を通じての筒体内のガス量を調整できる。またガス充填、排出パイプ6は、電磁弁7、ポンプ(またはブロワー)8を介してガスタンク9と接続され、ポンプ8を作動させることで、ガスタンク9のガスをエアバッグ3に充填できる構成とされている。また、エアバッグ3の側部には、蝶番状連結片4,4,4が設けられ、エアバック3の横方向への動きを拘束し、かつ上下方向に水平状態を保持して移動できるようにしている。ここで、ポンプ8の代わりにブロワーを用いる場合は、必要に応じて、電磁弁7を省略することもでき、またブロワーの場合は、常時駆動状態としておくことができる。また、ガスタンク9に代えて、空気をブロワーやポンプ8に吸入・排気させる構成としてもよい。
【0014】蝶番状連結片4,4,4は、エアバッグ3の側部三方向に配置され、エアバッグ3を挟持・保持でき、その上端4aはパレット板1の底面に固定され、下端4bはベース板2の上面に固定されていて、エアバッグ3の膨縮により、蝶番状に屈曲角度が変化し、エアバック3の横方向への動きを防止あるいは軽減し、常に、パレット板1がベース板2に対して水平に昇降できる構成とされている。ここで、蝶番状連結片4,4,4は、外側方向に突出する『く』字状に配置されている。なお、蝶番状連結片4,4,4は、図8に示すように、複数の折り曲げ部(屈曲部を有する構成としてもよい。
【0015】そして、本実施例のエアバッグ式段差解消装置は、段差を有する箇所にベース板2を設置し、エアバッグ3のガス量を調整することによりパレット板1を昇降させることができる。すなわち、パレット板1に搬送物を載置した後、ポンプ8を作動させて、ガスタンク9のガスを電磁弁を介してエアバッグ3内に充填すると、エアバッグ3が膨張を開始して、エアバッグ3の側部の蝶番状連結片4,4,4によって水平状態が維持されながら上昇させることができ、該ガスの充填量に応じた位置まで搬送物を上昇させることができる。またその下降は、エアバッグ3内のガスを排出させることで行える。
【0016】ここで、パレット板1とベース板2は蝶番状連結片4,4,4で連結され、かつエアバッグ3は、パレット板とベース板2と蝶番状連結片4,4,4が形成する空間部に設けられ、該エアバッグ3が蝶番状連結片4,4,4に挟まれているので、該蝶番状連結片4,4,4によって、エアバッグ3の膨縮の際に発生する揺れ、傾斜を防止し、常にベース板2に対して水平状態を維持してパレット板1を昇降させることができる。ところで、パレット板1の上昇高さは、蝶番状連結片4,4,4が起立した高さまでで、下降時の高さは、エアバッグ3の収縮時の厚みまたは蝶番状連結片4,4,4の折り畳み状態の厚みとなる。従って、蝶番状連結片4,4,4の折り畳み状態の厚みと、起立した高さとの差の段差がある段差部分での段差解消が容易に行える。例えば、駅、家庭内等における階段や段差を、車椅子を使用して上昇・下降する場合についても有効に活用することができることになる。
【0017】ところで、本実施例は、段差解消装置として説明したが、間仕切り等の仕切り壁の間隔調整装置として具体化することもできる。この場合は、前述した実施例の構造体を、垂直方向に配置することによって使用できる。
【0018】なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において変形実施できる構成を含む。因に、本実施例の構成を複数段積み重ねることにより、あるいはエアバッグ自体を多段構造とすることにより、より大きな移動間隔を有する段差解消、間隔調整を行うことができる。また、前述した実施例においては、蝶番状連結片をエアバッグの側部三方向に設けた構成で説明したが、エアバッグの平面形状に応じて、それ以上の蝶番状連結片を設けた構成としてもよく、更に、二方向に設けた構成としてもよい。
【0019】また、該蝶番状連結片としては、任意形状(例えば、平面『 状)のものを用いてもよい。また、前述した実施例では、エアバッグを平面八角形状のもので説明したが、他の形状、例えば、三角形状、四角、五角形状等の種々の形状のものを用いることができる。
【0020】更に、図7図8に示すように、平行する二枚の板体の間に横方向に複数個のエアバッグ(図面においては、二個のエアバッグ)、蝶番状連結片を設けた構成としてもよい。また、ガス充填口は任意の箇所に設けることかできることは当然である。
【0021】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明のエアバッグ式間隔調整装置と段差解消装置によれば、エアバッグ内のガス量を調整して、該エアバッグを膨縮させるようにしているので、複雑なストッパー機構等を必要とすることなく、その移動位置と移動スピードの調整が簡単に行え、かつ油圧等を使用しないので、清潔で安全に間隔調整、段差解消ができるという効果を有する。
【0022】また、本発明のエアバッグ式間隔調整装置と段差解消装置によれば、エアバッグを蝶番状連結片で保持して膨縮させるので、該エアバッグに固定したパレット、ステージ、あるいは仕切り壁等の移動用板体を他端側の板体に対して平行状態を維持して移動させることができ、安全性を担保できるという効果を有する。



【図面の簡単な説明】
図1】本発明の一実施例を示すエアバッグ式段差解消装置の平面図である。
図2】エアバッグが膨張した状態の図1A−A断面図である。
図3】エアバッグが膨張した状態の図1B−B断面図である。
図4】エアバッグの平面図である。
図5】エアバッグが収縮した状態の図1A−A断面図である。
図6】蝶番状連結片の他の実施例の概略側面図である。
図7】本発明の他の実施例であって、エアバッグと蝶番状連結片を横方向に二個並列配置した断面図である。
図8】本発明の他の実施例であって、エアバッグを横方向に二個並列配置した実施例の断面図である。
【符号の説明】
1・・・パッレト板、2・・・ベース板、3・・・エアバッグ、4・・・蝶番状連結片、5・・・チェーン、6・・・ガス充填、排出パイプ、7・・・電磁弁、8・・・ポンプあるいはブロワー(モーター)、9・・・ガスタンク(酸素、窒素等の低圧ガス)



図1

図2

図3

図4

図6

図5

図7

図8