(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平8−280797
(43)【公開日】平成8年(1996)10月29日
(54)【発明の名称】腕固定具
(51)【国際特許分類第6版】
   A61M  5/00    375          
【FI】
   A61M  5/00    375          
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】FD
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願平7−117945
(22)【出願日】平成7年(1995)4月18日
(71)【出願人】
【識別番号】593165258
【氏名又は名称】日下 裕行
【住所又は居所】広島市安佐北区可部東3丁目32−19
(71)【出願人】
【識別番号】591222407
【氏名又は名称】株式会社松屋総合研究所
【住所又は居所】山口県岩国市室の木町1丁目7番45号
(72)【発明者】
【氏名】日下 裕行
【住所又は居所】広島市安佐北区可部東3丁目32−19
(72)【発明者】
【氏名】松塚 展門
【住所又は居所】山口県岩国市室の木町1丁目7番45号株式会社松屋総合研究所内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 剛啓



(57)【要約】
【目的】 点滴注射針や薬液供給チューブが外れないよう腕の動きを止め、固定する点滴用腕固定具を提供する。
【構成】 交換可能な袋30に挿入して、包んだ溝型の硬質芯材20の凹面側を、前記袋30を介して腕10の外面に当てる如く構成し、更に前記袋30の両側に取付けたバンド40,40に緩衝材50を設け、該バンド40,40を腕10の回わりに巻付けて、腕10に硬質芯材20を固定可能に構成してある。




【特許請求の範囲】
【請求項1】 交換可能な袋(30)に挿入して、包んだ溝型の硬質芯材(20)の凹面側を、前記袋(30)を介して腕(10)の外面に当てる如く構成し、更に前記袋(30)の両側に取付けたバンド(40,40)に緩衝材(50)を設け、該バンド(40,40)を腕(10)の回わりに巻付けて、腕(10)に硬質芯材(20)を固定可能に構成した腕固定具。
【請求項2】 バンド(40,40)が、その先端部に、先端部同士を重ね合わせ、押え付けることにより、結合させることが出来るバンド用密植ファスナー(41,41)を設けてなる請求項1記載の腕固定具。
【請求項3】 硬質芯材(20)が、少なくとも1個の孔(21)を開けてなり、袋(30)が、その口の相対する内面に、重ね合わせ、外側から押え付けることにより、結合させることが出来る口閉じ用密植ファスナー(31)設け、且つ前記孔(21)に対応する部分の相対する内面に、重ね合わせ、外側から押え付けることにより、結合させることが出来るズレ防止用密植ファスナー(32,32)を設けてなる請求項1又は2記載の腕固定具。



【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腕に点滴をするに当たって、腕が動いて、点滴注射針が抜けたり、薬液供給用チューブが外れたりして、薬液が漏れるのを防ぐために腕を固定する腕固定具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、腕に点滴をするに当たって、腕に先端を差し込んだ点滴注射針を腕に固定するために、注射針の露出部を腕に重ねた状態で、テープを貼ったり、包帯を巻き付けたりして、動かないようにしている。
【0003】しかしながら、従来の点滴注射針の腕への固定手段は、例えば次のような状態になり、テープ・包帯等が外れ、注射針が抜けたり、薬液供給用チューブが外れたりして、薬液が漏れることがあると言う問題点がある。すなわち、ア)痴呆老人・乳児・幼児等が無意識に腕・体を動かす。イ)自覚を持った患者でも、睡眠時には無意識に腕を動かす。なお、薬液が漏れると、患者が困るだけでなく、病院側にも支障が生じる。【0004】【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題点は、上記従来の点滴注射針の腕への固定手段は、腕が動いて、テープ・包帯等が外れ、注射針が抜けたり、薬液供給用チューブが外れたりして、薬液が漏れることがあることである。本発明は、これらの課題に着目して、薬液が漏れることのないよう腕を固定する点滴用腕固定具を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】図面を参考にして説明する。第1の発明は、交換可能な袋30に挿入して、包んだ断面溝型の硬質芯材20の凹面側を、前記袋30を介して腕10の外面に当てる如く構成し、更に前記袋30の両側に取付けたバンド40,40に緩衝材50を設け、該バンド40,40を腕10の回わりに巻付けて、腕10に硬質芯材20を固定可能に構成した腕固定具である。
【0006】第2の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、バンド40,40の先端部に、先端部同士を重ね合わせ、押え付けることにより、結合させることが出来るバンド用密植ファスナー41,41を設けたものである。
【0007】第3の発明は、上記第1あるいは第3の発明の構成に加えて、袋30の口の相対する内面に、重ね合わせ、外側から押え付けることにより、結合させることが出来る口閉じ用密植ファスナー31を設けると共に、硬質芯材20に少なくとも1個の孔21を開け、袋30の前記孔21に対応する部分の相対する内面に、重ね合わせ、外側から押え付けることにより、結合させることが出来るズレ防止用密植ファスナー32,32を設けてなるものである。
【0008】
【実施例】実施例についてまず
図1乃至図5によって説明すると、20は点滴をする腕10の外半面に巻き付け、覆う樹脂・硬質ゴム等よりなる溝型の硬質芯材であるが、必要に応じ図6に示す如く手首側が小さくなるように斜めに切取ってある。30はその硬質芯材20を挿入し、包む袋であるが、必要に応じ図7に示す如く硬質芯材20の内壁と袋30の内面との間に緩衝シート22を介在させる。両側に緩衝材50を設けたバンド40,40を袋30に取付けてあり、前記硬質芯材20を袋30に挿入して、包んだ状態で、硬質芯材20の凹面側を、前記袋30を介して腕10の外面に当て、バンド40,40を腕10の周りに巻付けて、硬質芯材20に腕10を固定するようにしてある。図6に示す手首側が小さい硬質芯材20のときには、袋30も手首側を小さく形成する。
【0009】さらに詳細に説明すると、バンド40,40の先端部には、先端部同士を重ね合わせ、押え付けることにより、結合させることが出来るバンド用密植ファスナー(商標名、マジックテープ)41,41を設けてあり、袋30の口の相対する内面には、重ね合わせて、外側から押えて、口を閉じる口閉じ用密植ファスナー31を設け、硬質芯材20に少なくとも1個の孔21を開け、布製袋30の前記孔21に対応する部分の相対する内面には、重ね合わせ、外側から押え付けて、布製袋30が幅方向にずれないようにするズレ防止用密植ファスナー32,32を設けてある。なお、腕10の太さ・長さには個人差があるので、サイズについては複数種準備する必要がある。また、大きさに関しては図5に示す如く腕10をはみ出させる場合と、図8に示す如く腕10を没入する場合の2通りがある。
【0010】さらに、各バンド40,40の内面幅方向に、適当な間隔を開けて、腕10の血管への圧迫を緩和するプラスチック丸棒等よりなる緩衝材50を設けることも出来る。袋30の材料は、紙・合成樹脂フイルム・布のいずれでもよく、洗浄や安価で使い捨てに適したものが好都合である。
【0011】
【作用】点滴をする腕10の外半面に袋30に包んだ硬質芯材20の凹面側を当て、点滴注射針60を刺してからバンド40,40を巻き付けて、対応する密植ファスナー41,41同士を重ね合わせ、押し付けることにより、硬質芯材20に腕10を固定、点滴注射針60を安定状態にする。
【0012】上記の通りにすることによって、腕10の動きを止めることが出来、点滴注射針60が抜けたり、薬液供給用チューブ61が外れたりして、薬液が漏れることはない。その際、緩衝材50が腕10とバンド40との間に介在するため、バンド40の血管への圧迫が緩和され、血流が抑制されるようなこともない。
【0013】図9に示す如く、肘側のバンド40によって点滴注射針60を保持すると共に、手首側バンド40によって、薬液供給用チューブ61を保持するようにすることも出来る。このようにすれば、点滴注射針60から薬液供給用チューブ61が外れることがなくなる。
【0014】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されるため、点滴の際、痴呆老人・乳幼児、さらに正常な患者でも、睡眠時に腕10が固定され、注射針が抜けたり、薬液供給用チューブが外れたりして、薬液が漏れることはない。



【図面の簡単な説明】
図1】本発明の実施例の使用状態を示す平面図である。
図2図1の側面図である。
図3】本発明の部品の布製袋の平面図である。
図4】本発明の部品の硬質芯材の平面図である。
図5】本発明の実施例の使用状態を示す断面図である。
図6】硬質芯材の変形例の側面図である。
図7】緩衝シート22を介在させたときの図5相当図である。
図8】変更実施例を示す図5相当図である。
図9】本発明の変形使用状態を示す側面図である。
【符号の説明】
10 腕
20 硬質芯材
21 孔
22 緩衝シート
30 袋
31 口閉じ用密植ファスナー
32 ズレ防止用密植ファスナー
40 バンド
41 バンド用密植ファスナー
50 緩衝材
60 点滴注射針
61 薬液供給用チューブ



図1

図2

図4

図6

図3

図5

図7

図8

図9