(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平9−108205
(43)【公開日】平成9年(1997)4月28日
(54)【発明の名称】左・右脳の優位性検査方法と装置
(51)【国際特許分類第6版】
   A61B  5/16    300          
         5/00                 
【FI】
   A61B  5/16    300 Z 0277-2J
         5/00        Z        
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】FD
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願平7−293435
(22)【出願日】平成7年(1995)10月16日
(71)【出願人】
【識別番号】591222407
【氏名又は名称】株式会社松屋総合研究所
【住所又は居所】山口県岩国市室の木町1丁目7番45号
(72)【発明者】
【氏名】松塚 展門
【住所又は居所】山口県岩国市室の木町1丁目7番45号 株式会社松屋総合研究所内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 博文



(57)【要約】
【課題】 簡単な方法と装置でもって、被検査者の左脳と右脳の何方の働きが他方の脳に対して優位性を有するか否、換言すれば活発化しているか否についての検査ができる左・右脳の優位性検査方法と装置を提供する。
【解決手段】 被検査者の左脳と右脳の働きの優位性を検査するための左・右脳の優位性検査方法であって、発光素子等からなる光源を所定間隔をおいて左右位置に設け、該光源を点滅光にすると共に、該点滅光の点滅状態を変化させ、該左側の点滅光の点滅状態の変化と右側の点滅光の点滅状態の変化を視覚的に認識させることにより、前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査する構成よりなる。




【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検査者の左脳と右脳の働きの優位性を検査するための左・右脳の優位性検査方法であって、発光素子等からなる光源を所定間隔をおいて左右位置に設け、該光源を点滅光にすると共に、該点滅光の点滅状態を変化させ、該左側の点滅光の点滅状態の変化と右側の点滅光の点滅状態の変化を視覚的に認識させることにより、前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査することを特徴とする左・右脳の優位性検査方法。
【請求項2】 被検査者の左脳と右脳の働きの優位性を検査するための左・右脳の優位性検査方法であって、発光素子等からなる光源を所定間隔をおいて左右位置に設け、該光源を検査開始においては連続光とし、該連続光を検査開始後に経時的に点滅光とすると共に、該点滅光の点滅状態を変化させ、該左側の点滅光の点滅状態の変化と右側の点滅光の点滅状態の変化を視覚的に認識させることにより、前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査することを特徴とする左・右脳の優位性検査方法。
【請求項3】 被検査者の左脳と右脳の働きの優位性を検査するための左・右脳の優位性検査方法であって、発光素子等からなる光源を所定間隔をおいて左右位置に設け、該光源を点滅光とすると共に、該両点滅光の点滅状態を検査開始後、経時的に除々に短くし、該左側の点滅光の点滅状態と右側の点滅光の点滅状態の何れか一方が先に連続光に変化したことを視覚的に認識させることにより、前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査することを特徴とする左・右脳の優位性検査方法。
【請求項4】 被検査者の左脳と右脳の働きの優位性を検査するための左・右脳の優位性検査装置であって、単眼筒体または双眼筒体と、該筒体内の前方位置に所定間隔をおいて左右位置に設けた発光素子等からなる光源と、該両光源を点滅光とすると共に、該点滅光の点滅状態を検査開始から経時的に除々に変化させて点滅状態の異なる点滅光、または連続光とするための点滅状態制御手段、および該点滅状態制御を操作するための操作手段を有し、前記左右の光源の点滅光の状態を被検査者に視覚的に認識させることにより前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査することを特徴とする左・右脳の優位性検査装置。
【請求項5】 被検査者の左脳と右脳の働きの優位性を検査するための左・右脳の優位性検査装置であって、単眼筒体または双眼筒体と、該筒体内の前方位置に所定間隔をおいて左右位置に設けた発光素子等からなる光源と、該両光源を連続光とし、該連続光を検査開始後に点滅光とすると共に、該点滅光の点滅状態を検査開始から経時的に除々に変化させて点滅状態の異なる点滅光とするための点滅状態制御手段、および該点滅状態制御を操作するための操作手段を有し、前記左右の光源の点滅光の状態を被検査者に視覚的に認識させることにより前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査することを特徴とする左・右脳の優位性検査装置。
【請求項6】 前記点滅光の点滅状態を数値表示するための点滅状態表示手段を有する請求項4または5に記載のことを特徴とする左・右脳の優位性検査装置。



【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左・右脳の優位性検査方法と装置に係り、より詳細には、被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否についての検査をするための左・右脳の優位性検査方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の大脳には、左脳と右脳とがあり、その脳の働きには分業制度のあることがアメリカのスペリー等によって証明されている。一般的に、左脳は、言語中枢をもっていて、言語的、論理的、分析的、代数的、ディジタル的な思考を司り、また右脳は、イメージ力、パターン認識力、絵画的認識力をもち、直観的、総合的、幾何学的、アナログ的な思考、認識を司ると言われている。しかし、中には右脳に言語中枢がある人もある。
【0003】このように、人間の左脳と右脳は、その働きに異なりがある。そして、人間の思考力は、ディジタル思考型(物語思考型)と、アナログ思考型(図鑑思考型)、および両思考を平均的にもつディジアナ思考型の3つの分類できる。このディジタル思考型とアナログ思考型の場合、左脳と右脳の何れか一方が活発な状態にあると言える。
【0004】このディジタル思考型の人間の場合、言語を中心にして論理的に物事を把握する傾向が強く、言語中枢を持っている左脳が活発化している(換言すれば、左脳の働きが右脳の働きより優位性をもっている・・・左脳型)と考えられ、またアナログ思考型の人間の場合、図形や絵を中心にして直観的に物事を把握する傾向が強く、言語中枢のない右脳が活発化している(換言すれば、右脳の働きが左脳の働きより優位性をもっている・・・右脳型)と考えられる。従って、この左脳型と右脳型では、各個人が、種々の学習やスポーツをする場合、どのような手法をとれば、より効果的であるか異なってくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このことから、各個人(被検査者)は、自分の思考力が、左脳型であるか、それとも右脳型であるか、換言すれば、自分の脳の左脳と右脳の何方の方が優位性を持っているを予め知っておくことにより、自分自身の学習能力を高め、いっそう効果的な学習を行うことができ、また優位性を有しない方の脳を活発化させることで、両方の脳を均等に活発化させることができる。しかし、これまで、被検査者の大脳の働きが、左脳型であるか右脳型であるかを検査(換言すれば、判定)するという概念がなく、これらの検査方法や装置は提案されていない。
【0006】ところで、人間の視覚路と対光反射の経路は、
図7に示すように、左視野1のものは網膜2を介して直接右脳3に入り、また右視野4のものは網膜5を介して直接左脳6に入り、通常、左脳6では、この視野のものを記号的に認識し、また右脳3では、図形的に認識することが知られている。
【0007】本発明は、上述したような課題に対処して創作したものであって、その目的とする処は、簡単な方法と装置でもって、被検査者の左脳と右脳の何方の働きが他方の脳に対して優位性を有するか否、換言すれば活発化しているか否についての検査ができる左・右脳の優位性検査方法と装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして、上記目的を達成するための手段としての本発明の請求項1の左・右脳の優位性検査方法は、発光素子等からなる光源を所定間隔をおいて左右位置に設け、該光源を点滅光にすると共に、該点滅光の点滅状態を変化させ、該左側の点滅光の点滅状態の変化と右側の点滅光の点滅状態の変化を視覚的に認識させることにより、前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査する構成としている。
【0009】請求項2の左・右脳の優位性検査方法は、発光素子等からなる光源を所定間隔をおいて左右位置に設け、該光源を検査開始においては連続光とし、該連続光を検査開始後に経時的に点滅光とすると共に、該点滅光の点滅状態を変化させ、該左側の点滅光の点滅状態の変化と右側の点滅光の点滅状態の変化を視覚的に認識させることにより、前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査する構成としている。
【0010】請求項3の左・右脳の優位性検査方法は、発光素子等からなる光源を所定間隔をおいて左右位置に設け、該光源を点滅光とすると共に、該両点滅光の点滅状態を検査開始後、経時的に除々に短くし、該左側の点滅光の点滅状態と右側の点滅光の点滅状態の何れか一方が先に連続光に変化したことを視覚的に認識させることにより、前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査する構成としている。
【0011】請求項4の左・右脳の優位性検査装置は、単眼筒体または双眼筒体と、該筒体内の前方位置に所定間隔をおいて左右位置に設けた発光素子等からなる光源と、該両光源を点滅光とすると共に、該点滅光の点滅状態を検査開始から経時的に除々に変化させて点滅状態の異なる点滅光、または連続光とするための点滅状態制御手段、および該点滅状態制御を操作するための操作手段を有し、前記左右の光源の点滅光の状態を被検査者に視覚的に認識させることにより前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査する構成としている。
【0012】請求項5の左・右脳の優位性検査装置は、単眼筒体または双眼筒体と、該筒体内の前方位置に所定間隔をおいて左右位置に設けた発光素子等からなる光源と、該両光源を連続光とし、該連続光を検査開始後に点滅光とすると共に、該点滅光の点滅状態を検査開始から経時的に除々に変化させて点滅状態の異なる点滅光とするための点滅状態制御手段、および該点滅状態制御を操作するための操作手段を有し、前記左右の光源の点滅光の状態を被検査者に視覚的に認識させることにより前記被検査者の左脳と右脳の何方の働きが優位性を有するか否の検査する構成としている。
【0013】請求項6の左・右脳の優位性検査装置は、前記請求項4または5の検査装置において、前記点滅光の点滅状態を数値表示するための点滅状態表示手段を有する構成としている。
【0014】本発明の左・右脳の優位性検査方法と装置は、自分の右脳と左脳の何方の働きが優れているのか、或いは活発化しているかを検査して、予め、前記した左脳型であるか、右脳型であるかを知っておくために有効な方法と装置である。そして、この検査方法と装置は、単眼あるいは双眼筒体内の前方位置に所定間隔をおいて設けられている左右の光源の光の点滅状態を変えていき(両光源は同一に変化あるいは異なる変化をさせてもよい)、被検査者が、この光を視覚的に見て、該左右の光源からの光の状態に変化があったと認識したとき、この認識を早くした視野、例えば、右視野にある光源の光が早く変化した認識したときは、該被検査者の脳は、左脳が右脳より優位性を有しており、換言すれば、該左脳が右脳より活発化していることを認識できる。また、筒体が単眼筒体からなる場合は、左右それぞれの眼について同様に行うことによって、また双眼筒体の場合は、一方づつの眼側を遮蔽し、それぞれの眼について同様に検査することによって、左右の眼の異常を有無を検出することもできる。さらに、単眼筒体からなるもので検査を行う場合は、該筒体を回転させながら検査することもできる。
【0015】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明の請求項1と2の左・右脳の優位性検査方法、および請求項4の左・右脳の優位性検査装置によれば、筒体内の前方位置に所定間隔をおいて設けられている左右の光源の光の点滅状態を変えていき、被検査者が、この光の状態を視覚的に見て、該左右の光源からの光の状態に変化、すなわち右視野と左視野の光源の光(光の点滅状態)に変化があったことを視覚的に認識できるようにし、該右視野にみた光は左脳に送られ、また左視野にみたものは右脳に送られることから、該変化を早く認識した側の視野と繋がる側の脳が、他方の脳に対して優位性があることを検出できるという効果を有する。
【0016】請求項3の左・右脳の優位性検査方法、および請求項5の左・右脳の優位性検査装置によれば、光源の光を点滅光とし、該両点滅光の点滅周期を検査開始後、経時的に除々に短くし、該左側の点滅光の点滅状態と右側の点滅光の点滅状態の何れか一方が先に連続光に変化したこと、すなわち該点滅光と連続光との境界(切れ目)を認識させるので、該認識が容易になると共に、正確な検査ができるという効果を有する。
【0017】請求項6の左・右脳の優位性検査装置によれば、前記各効果に加えて、前記点滅光の点滅状態を数値表示するための点滅状態表示手段を有するので、右脳と左脳の活発化の差を容易に把握できるという効果を有する。
【0018】従って、本発明の左・右脳の優位性検査方法と装置によれば、各個人(被検査者)が、自分の思考力が、左脳型であるか、それとも右脳型であるか、換言すれば、自分自身の脳の左脳と右脳の何方の方が優位性を持っているを予め知ることができことから、自分自身の学習能力を高め、いっそう効果的な学習を行うことができ、また優位性を有しない方の脳を活発化させることで、両方の脳を均等に活発化させることができるという効果を有する。また本発明の方法と装置を用いて、一方の脳の優位性を予め認識しておくことにより、特定の学習をするには何方の方の脳を活発化させれば良いか予め判るので、数学的な学習のほか、音楽等の学習についてもより効率的な学習を行えるという効果を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発明を具体化した最良の実施形態の一例について説明する。ここに、図1図6は、本発明の一実施形態を示し、図1は横断面図、図2図1のA−A断面図、図3は概略構成図、図4は検査を行っている状態の視覚系と装置の模式図、図5は光源から発される検査光のタイムチャート、図6図3と同じ他の概略構成図である。
【0020】本実施形態の左・右脳の優位性検査装置は、概略すると、図1図3に示すように、筒状ケース11内に、光源12a,12bと、滅灯時間値表示部13と、滅灯時間制御部14、および操作部15を有する。そして、筒状ケース11は、円筒状の合成樹脂製、あるいは金属製のケースであって、開口部16に単眼または双眼の接眼部を形成し(本実施形態では単眼で示している)、筒状ケース11内の中間仕切り壁面17の右視野aに光源12a,左視野bに12bを有する。また、中間仕切り壁面17の奥側に滅灯時間制御部14と操作部15を有し、筒状ケース外面18に、滅灯時間値表示部13と、操作部15のスイッチ19を有している。
【0021】2つの光源12a,12bは、発光ダイオード等よりなるLED(発光素子)で形成され、それぞれ被検査者が断続光(点滅光)からなる検査光を目視できる構成としている。ここで、光源とは、照明その他、光を発する形態からなるものであれば、例えば、光ファイバー等を通じて光を発する形態であってもよい。また滅灯時間制御部14によって、一定周期で灯火・滅灯状態となる検査光を表示でき、中間仕切り壁面17に所定間隔tをあけて左視野と右視野に設けてある。ここで、該所定間隔tは、左視野の光源12aと右視野の光源12bの光が、被検査者の網膜に入った際に、両光の区別がつくように設けた間隔である。すなわち、図4において、網膜21と網膜22との境界部分の間隔と瞳23とが形成する角度αより大きい角度を形成する間隔を開けて右視野aに光源12a,左視野bに光源12bを設けている。換言すれば、中点cから偏心した左右位置に2つの光源12a,12bを設けている。また、光源12a、12bは図2(c)に示すような構成、すなわち、偏平状の光源としてもよい。
【0022】滅灯時間値表示部(数字表示部)13は、光源12a,12bから発される検査光の滅灯時間値や、周波数(Hz)のデジタル表示値を表示するための表示部で、筒状ケース11の外側に設けられている。なお、必要に応じて、光源12a,12bの周囲に設けることもある(図2(b)参照)。該滅灯時間値は、一周期中の滅灯時間、換言すれば、光源12a,12bから発される光と光の切れ目の間隔値であって、通常、液晶表示その他LED表示されている。なお、光源12a,12bの周囲に設ける場合は、光源12a,12bの表示明るさと、その明るさを区別する必要がある。また必要に応じ、光源2からの発光を停止した時(あるいは消した時)のみ、滅灯時間値表示部13が滅灯時間値を表示するようにしてもよい。
【0023】滅灯時間制御部14は、検査光(光源12a,12b)の状態を制御するための一般的な制御部であって、該光源12a,12bの検査光の状態が、同じ周波数あるいは周期からなる場合は、例えば、図4に示すように、発振回路、前置分周器、および主分周器を備えたマイクロコンピュータチップを用い、該発振回路で発振された所定信号を、操作部15での操作に従い、周波数(上下)設定、周波数・周期変換させ、前記光源12a,12bの滅灯・点灯させると共に滅灯時間値表示部(数字表示部)13に、その滅灯時間値を数字表示させる構成のものを用いている。しかし、該回路構成は、この構成に限られるものでなく、必要に応じて、適宜変更できることは当然である。例えば、光源12a,12bの検査光の状態を異なるものとする場合は、図6に示すように、図4に示す回路を並列に設け、それぞれの光源12a,12bの点滅状態を別々に調整できる構成とすることができる。
【0024】操作部15は、筒状ケース11の外周に設けられたスイッチ(検査開始スイッチ、滅灯時間を除々に長くして検査するスイッチ、および滅灯時間を除々に短くして検査するスイッチ)19と、このスイッチ操作によって停止信号を出力させ、滅灯時間制御部14の作動を停止させ、該停止した時の滅灯時間値を表示し続け得る構成とされている。なお、光源12a,12bと滅灯時間値表示部13を、筒体ケース11の内部で、同一視野内に設けた場合は、光源12a,12bの光と滅灯時間値を同時に目視させ、正確な検査を行うことができる。また、筒体ケース11に収納した構成としたのは、光源12a,12bの光が、外部光を遮断し、該外部光による影響を最小限に押さえ、一層正確な検査ができるようにしたことによる。
【0025】次に、本実施形態の左・右脳の優位性検査装置を用いて、その検査方法を説明すると、まず、電源を入れて操作部15のスイッチ19を操作すると、滅灯時間制御部14が作動して光源12a,12bから周期が一定で、滅灯時間のみが変化する断続光からなる検査光がそれぞれ発される。この検査光(断続光)は、図5(a)〜(c)のタイムチャートに示すように、その滅灯時間が、検査開始時から経時的に短くなり、最終的には、滅灯時間のない連続光となるように制御されている。通常、検査開始当初は、点灯時間と滅灯時間が同じ断続光からなる検査光が発され(図5a参照)、該滅灯時間が短い断続光となり(図5b参照)、最後に滅灯時間がない連続光となるように制御されている。
【0026】そこで、被検者が、筒状ケース11の開口部16に接眼して、右視野aの光源12a、左視野bの光源12bを目視すると、検査開始当初、光源12a,12bから発される検査光が、通常、右脳24と左脳25は、その活発状態が相違するため、同じ検査光であっても、いずれか一方の視野a,bの光源12a,12bを、短い断続光として認識するようになり、最終的に、該断続光が連続光として認識する。これによって、被検査者の脳が、右脳型であるか、それとも左脳型であるかを判定することができる。また、この時、操作部15のスイッチ19を操作することにより、その時の滅灯時間値が滅灯時間値表示部13に連続表示され、この滅灯時間値を知ることで、正確な自己判定ができる。
【0027】なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で変形実施できる構成を含む。因みに、上述した実施形態においては、2つの光源を筒状ケース内部の仕切り壁に設けた構成で説明したが、例えば、光源は、ケース内部周壁面に形成し、反射鏡等を介して、開口部より目視できる構成としてもよい。また、光源から発される検査光を断続光とするのは、シャッター機構を用いて、該光源の光軸を遮蔽する構成(遮光)としてもよいことは当然である。また、検査光の滅灯あるいは遮光時間の変化は、灯火時間を変える手法で制御する形態としてもよく、更に、必要に応じて、検査開始当初において、連続光として、経時的に滅灯あるいは遮光時間を長くする形態とすることもできる。
【0028】また、前記点滅光は、前述実施形態からなる周期T3 を一定にして点灯時間を変化させる構成の他、その光の周期の増減することによって、その点滅状態を変化させるようにした構成としてもよいことは当然である。すなわち、図5(e)〜(g)に示すように、周期T3 を変化させるようにしてもよい。また、中間仕切り壁面17の中点cにも、光源を設け、この光源を点滅表示させるようにした構成としてもよい。この構成とした場合は、前述した場合と同様にして、該光源の点滅状態を変化させて、この変化した時間等を測定することによって検査を行える視覚検査機能をも保有した装置とすることかできる。



【図面の簡単な説明】
図1】本発明の一実施形態を示す横水平断面図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3】概略構成図である。
図4】検査を行っている状態の視覚系と装置の模式図である。
図5】光源から発される検査光のタイムチャートである。
図6】他の実施形態の概略構成図である。
図7】人間の視覚路と対光反射の経路の説明図である。
【符号の説明】
11・・・筒状ケース、12a・・・左視野内の光源、12b・・・右視野内の光源、13・・・滅灯時間値表示部、14・・・滅灯時間制御部、15・・・操作部、16・・・開口部、17・・・中間仕切り壁面、18・・・ケース外面、19・・・スイッチ、21・・・網膜(左)、22・・・網膜(右)、23・・・瞳、24・・・右脳、25・・・左脳、t・・・光源12aと光源12bとの間隔、α・・・網膜(左)と網膜(右)との間の間隔と瞳とが形成する角度

図1

図2

図3

図7

図4

図5

図6